研究概要

 当研究室では以下のような研究を実施しています。企業様等でこれらに近い研究テーマやAI、機械学習の転用等に関してご興味のある方、共同研究をお考えの方は、教授の黒田までご遠慮なくご相談ください。(連絡先メールアドレス:kurodada「@」mukogawa-u.ac.jp)

「機器分析による薬物の副作用発現リスクの予測」

 ある種の薬物群は「リン脂質」という物質を過剰に蓄積する副作用を惹き起こします。リン脂質自体は生体内にもともと存在する成分ですが、その量が過剰になってしまうことによって不整脈などの副作用が生じます。この副作用を惹き起こす危険性がどの程度なのかを調べるには細胞や動物などを用いて試してみることが必要なのですが、生体を用いずに機器分析という手法でそれを知ることも可能です。しかし、その予測の正確さには限度がありました。当研究室ではその予測の正確さを向上させる方法を見出し、その適用について研究しています。

「AIによる薬物の副作用発現リスクの予測」

 薬物のある種の副作用の発現リスクと、その薬物の化学構造上の特徴(分子記述子)との関係を明らかにし、薬物の化学構造から副作用のリスクを判別するための人工知能(AI)の作成について研究しています。

「医薬品使用にともなう環境水汚染状況の解析」

 ヒトあるいは家畜等による医薬品の使用は、下水処理施設や設備を通じて医薬品による環境水汚染を引き起こす可能性が指摘されています。また、未使用の医薬品を下水に廃棄することも、汚染につながります。当研究室では近隣の環境水を採取し、その中に含まれる医薬品成分の量をモニターしています。

「うつに伴う生体内成分の変動の解析」

 うつは罹患者数の多い疾患の1つですが、その診断は基本的に問診に依存しています。そこに体内の物質の量や性質が変化しているという生化学的なパラメータが加わると、診断の客観性が向上すると期待されます。現在、うつのバイオマーカー研究が盛んに進められていますが、当研究室でもうつに伴って変動する可能性のある分子を見出しています。その分子の振る舞いとうつとの関係を現在解析しているところです。

「化粧品の使用感の客観的評価に関する研究」

 化粧水には「さっぱりタイプ」「しっとりタイプ」といったタイプが表記されています。さっぱりさやしっとりさは個人によって感じ方が変わる可能性があり、客観的な性質で示されるとわかりやすくなります。どのような性質がしっとりさやさっぱりさに関わっているのか、現在のところ明らかではありませんが、当研究室では表面張力にその鍵がある可能性を見出しており、更なる情報収集を続けています。

「ビッグデータを用いる化粧品の特性解析」

 化粧品の商品特性は主として言語により示されますが、一般消費者にとっては言語表記だけでは正確に特性を把握しづらいという問題があります。昨今では、例えば全成分表示や消費者サイトのクチコミなど化粧品に関する膨大なデータが容易に入手できる状況ですので、これらを用いて機械学習やテキストマイニングを行い、消費者が商品特性を理解するための情報に変換することを研究しています。