クロマトグラフィーで副作用リスクを予測する試み

研究成果

 ある種の薬物群には「リン脂質」と呼ばれる成分が体内に過剰に蓄積する副作用があります。副作用の危険性を調べるためには、通常、細胞や動物を使って試してみることになりますが、生体を使用しない分析法があれば、簡便で再現性が高くモラル面でも好ましいと期待されます。固相化人工間と呼ばれる物質を使ったクロマトグラフィーを特殊な条件で行うことにより、副作用を惹き起こす薬物と惹き起こさない薬物とを識別できる実験結果が得られ、学術論文として発表しました。

Immobilized Artificial Membrane Chromatography Using Acetonitrile-Rich Mobile Phase for Comparison of Retention Properties Between Phospholipidosis-Inducing and Non-inducingBasic Drugs

Chromatographia (2023) 86:43–54

DOI
10.1007/s10337-022-04225-0